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道具



Twitterを見ていた時に「機材なんてどれでもいい」というのを目にした。

iPhoneなどのスマホの性能が上がって来て、デジ一眼やミラーレス一眼じゃなくてもよい写真は撮れると言うものだった。

これは一理ある。

カメラの性能だけを考えると、やはり一眼系は色々と出来る事が多いのだけど、

こと写真と考えると、大事なのは「そこに何が写っているか」という点だからだ。


ここからは自分の経験談なのだが、イノウエの師匠であった「高橋和敏」と言うカメラマンは非凡な人だった。

極端に言えば、シャッタースピードと絞りの相関関係なども、数字ではなく概念で捉えてるようなところがあり、スタジオ以外の現場で撮る際も、色温度や露出を外す事も無く、ほぼメーター通りのセッティングをしていた。

一度、本人に尋ねてみたら「経験」と一言だけ返された。


こんな調子の人だったので、実は機材にこだわりが無かった。

いつもCanon EOS 20Dを使い、雑誌でもポスターでもWEBでもこなしていた。

ストロボもコメットから昔出していた100wクラスの小型モノブロを複数台持ち、

入れ替えながら撮影していた。

ある日、自分がEOS 5Dを手に入れ、師匠に勧めた事がある。

自分の説明を興味無さげに聞き「ふーん、で、そのカメラで撮ったお前の写真と20Dで撮ったオレの写真、どっちのアガリが良いんだ?」

と言われ、グーの音も出なかった。


この経験から、イノウエも特に目新しいものに飛びつく事も無くなった。

最初に書いた「iPhone vs 一眼」みたいな極論はさておき、

機材に拘らないという考えに異論はない。大事なのは、道具を適材適所で間違いなく使い、

良い写真を撮ると言う一点だからだ。


イノウエも今では3、4年でカメラも入れ替えたり、それなりに有名なストロボも使わせてもらっている。

が、今だに中古の20Dとコメットの中古100wのストロボで撮った、当時の師匠の写真を超えてるとは思えない。写真としての総合力の違いをまざまざと見せつけられている。

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2022年

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